出産・育児を通じて学んだこと
出産当時は20歳で学生だった
都内の某服飾系専門学校に通っていたのですが、2年生の冬頃に妊娠が発覚。
悪阻がありつつも、学期末まで通い、1年の休学届を提出し、出産。
その後、授業数が少ない夜間のクラスに復学して、母の協力や保育園の先生、友人達のサポートのもと、何とか卒業することが出来ました。
元々、素敵なパートナーが現れれば、早く結婚したいと思っていて、子供が可愛くて仕方なかったので、周りと自分を比べて羨むということは殆どなかったです。
ただ、夫や友人達が社会で活躍していく中、置いてけぼりにされているかのような孤独感や劣等感はすごいあったので、置かれてる状況下で自分にとって最適な状態は何なのかを意識して過ごすようにしていました。
キャリアを築く前に出産するということ
まだ社会での自分の立場が築けてなかったこともあり、仕事では本当に苦労しました。
内定をいただいた会社に、子供の存在を打ち明けると辞退を求められたり、独身の女性上司が簡単な業務なのにわざと仕事を教えてくれなかったり、時には暴言を吐かれたり…。
私自身にも原因があったはずですが、母親でありながらも一社会人として成長したい気持ちが強かったので、最初の数年は自分なりに精一杯努力しても、なかなか上手く行かず、夜泣きする子供を抱っこしてなだめながら、涙がこぼれてくることもよくありました。
アパレル業界での経験
デザイナー、販売員、アパレルメーカーの内勤など、様々な業種を経験させていただいたのですが、会社や店舗によって雰囲気、社風、やり方など全然違いました。
上手くいかないこともありましたが、心から尊敬出来る素敵な方に沢山出会えたことは、人生において掛け替えのない宝だと思っています。
私が母になって改めて気付いたこと
①母親の苦労、育児の大変さ、親への感謝
子育てをしながら生きていくことがこんなに大変なことだとは全くもって分かっていなかったと思います。
兼業主婦だろうが、主婦だろうが、まだまた主体性を持って育児をするのは女性な傾向が強く、1人の人間を育てるということへのプレッシャーを感じることも。
成長過程によってめざましく変化する子供の状況に直面し、初めてのことばかりで、戸惑うことも多々あります。
複雑な家庭環境で育ったこともあり、親に不服があったりした時期はありましたが、そもそも親も生身の人間だし、健康に産み育てて貰ったことや、与えられた環境にもっと感謝すべきだったと反省しました。
②時間の貴重さ、尊さ
子持ちで学校に通ったり、働いていたりすると、大抵の人は預けられる時間に限りがあるので、やるべきことを時間内で必ず終わらせなければならない。
子供を預けられる範囲内で自分が出来ることを見定めなければならない。
けれど、自分がやりたいことを実現するには時間が物理的に足りないという現実だったりすることも…。
大切な家族と自分のやりたいことの帳尻を合わせる為にも、限りある時間をいかに濃く過ごすかを真剣に考えるようになりました。
③心に余裕を持ち、自分をコントロールする大切さ
活気や好奇心に満ち溢れてる子供と向き合うのはかなりエネルギーを要します。
こちらが子供の為を思い、一生懸命考えたり、用意したりしていても、思い通りにならないことばかり。
自分の時間や体力、心に余裕がなくて、ついイライラしてしまった経験も多々あります。
けれども、自身の経験を含め、怒りや感情を子供にぶつけても何も伝わらないし、メリットがない。
子供にどうなって欲しいかorどうして欲しい以前に、子供はどうしたいのか、どうして欲しいのか、子供にとって良い親とは何なのか、冷静に考えられるように、出来る限り自分自身のことを大切にして、良いコンディションで子供に接するように気を付けてます。
それでも時々爆発するし、上手くやれているか自信はないけれど…。
④沢山の人に支えられて生きてること
子供を親に見て貰って学校に通ったり、保育園に預けて働いていたので、母や先生達には頭が上がらない。
理解してくれて、受け入れてくれた上司や、その他にも沢山の人に支えられて、常に誰かの仕事に支えられて生きているんだと気付きました。
感謝しても仕切れない程。
特に、保育時間内、学校時間内、子供達を教育するにあたり、沢山の工夫や努力をして全力で向き合って下さる先生の姿には、本当に身が引き締まる思いでした。
自分自身の生きる意味だとか、働く意味を根本から考え直させられました。
⑤経済力や決定権があると選択肢が増えること
周りのママ友達を見ていても思うのが、やはりどちらかといえば経済力がある女性の方がパートナーに堂々と対等に意見を主張しているなという印象があります。
状況に応じて理想のバランスがそれぞれなのは承知ですし、夫が圧倒的に家計を支えてる我が家なので、こんなことを言うのは大変恐縮ですが…。
世の中全体をフラットに見てみると、女性が仕事持つことで、他者からの信用を築けたり、自己実現する機会が出来たり、男性も家計を支えるプレッシャーが軽減されて、育児や家庭の仕事もしやすい状況になったり、男女双方にとって様々なメリットがあるのではないかと思います。
もし仮に娘がいたとしたなら、どんなことがあっても楽しく生きて抜いていける生命力は身につけさせたい。
⑥家族や友人、パートナーシップの大事さ
うちの子は3歳以降はほぼ皆勤で保育園に行ってたけど、特に小さい頃は熱を出したりなんてことはよくあって、赤ちゃんの時期は月の半分位出勤出来なかったことも…。
で、私のコミュニケーション力も足りず、当時職場の上司と折り合いが悪く、仕事も上手く行かなくてどうしようもなく落ち込んだことも。
初めての育児、環境の変化で夫婦で意見がぶつかることや、納得いかないことが増えて、上手く消化出来ずに不満ばかりが溜まってしまう時もありました。
子育てや仕事をするにあたり、強固なパートナーシップ、頼れる人がいるかいないかでかなりコンディションが左右される。
とはいえ、誰も頼れない・どうにもできない状況もあるので、そこは腹を括って、いつか巣立ってしまう我が子との掛け替えのない時間だと切り替える。
精神的にも体力的にも参ってしまう時が幾度とあったけれど、そんな時心から気を許せるパートナーや家族、友人が居てくれたお陰で今幸せに暮らせているのは断言出来る…!
子供を幸せにしたい、という共通ミッションを達成する為にどうすべきかを共に考えて分かち合える人が居るからこそ、子育ては楽しくなるし、辛いことがあっても頑張り続けられる気がする。
⑦限られた環境下で工夫する面白さ
とにかく1日があっという間に過ぎるし、お金にも限りがあるので、生活をより良くする為に、最善を尽くすようになった気がします。
限りある資源でいかにバランスよく、心地よく過ごせるか、やりくりが楽しいと思えるようになった。
仕事が終わり、お迎え、帰りたくないと泣き出したり、抱っこをせがまれ、何とか帰宅してご飯の準備、お風呂、寝かしつけ、片付け、夜泣き…。
常にあれこれやることがあって、子供が小さい頃は特に、悩む時間すらない日々だったけれど、それでも与えられた環境下で何が出来るのか、自分なりに一生懸命理想を掲げて過ごすようにしていた。当時は必死過ぎたけれど、振り返えってみると、楽しかったし充実していたような気がする。
⑧何があっても健康であれば、何とかなること
心身の健康があることで、やっと頭も体も動いてくれるようになる。
無駄に消耗したり、自分のことを後回しにして焦ったり、悩まなくて良いことを悩んだり、沢山空回りしていた経験があるのですが、あの頃は本当にキツかった。
自分のコンディションときちんと向き合うようになったら、急に色々上手く行くようになった気がする。
独身時代は栄養のある食事、運動、規則正しい生活、健康を当たり前かの様に享受していたけれど、両親に支えられていたらこそだったのだと実感。
忙しさにかまけていると、つい体調を崩しがちな私なので、自分は勿論、家族の健康を意識して過ごす様になった。
⑨深い絆があると精神的に強くなれること
正直、息子が誕生するまで母親になるという自覚があまり湧かなかったのですが、誕生した瞬間から意識がガラッと変わりました。
この子を絶対に守らないといけない、マジで、本気で!!って感じでした。
人間に備わる母性本能ってすごいなと思いました。
これまでに感じたことがない程に、産後は眠れない位アドレナリンが大放出します。これは冗談抜きで本当です!びっくりしました。
⑩自尊心が必要なこと
子供が産まれなければ、新たな時代は切り開かれず、経済はどんどん縮小する一方なので、もっとお母さんという存在は世間から評価されても良いのになと思います。
起業家であり、日本にベビーシッター文化を普及させようと頑張っている経沢香保子さんがAbemaTVで仰られていた「子供が生まれたら1000万付給案」に心から大賛成です!
女性が子供を育てながら働くことは、社会では推奨されているとはいえ、実際はそうではない現場も多く見かけるので、子供を産んだ女性に理想的な子育て環境がガッツリ整えられていれば、子育てへのネガティブなイメージも払拭され、もっとママ達もイキイキと子育てや人生を楽しめるのではないかなぁと思います。
昔に比べたらだいぶ恵まれた世界になっているのは間違いなくて、先輩方が築いてくれた環境には感謝しかないけれど、未来に生きる少女達を思えば、まだまだ改善が必要だなぁと思う今日この頃です。
子供は沢山のことを与えてくれる
色々愚痴っぽくなってしまった部分もあるけれど、子供が私達に与えてくれることが多いからこそ、今なお子供が生まれ続けているんだろうと思います。
長くなってしまったので、今回はこの辺で。
それでは、またー♪